【アクアリウム】生命循環を体感できるアクアリウム-OWNER’s VOICE File04

目指すのはインテリアの中に溶けこむアクアリウム

 

どんなきっかけでアクアリウムを始めたのですか?

ホームセンターでビオトープコーナーを見かけて勢いに任せて一式購入し、ベランダで水鉢を立ち上げたのがきっかけです。
それまで好きで育てていた観葉植物とはまた違う、水草の成長スピードの速さに一気に魅了されました。

水、光、生体、植物--自然環境に近い形をアクアリウムという枠の中に作り上げることで、すべてが関わり合っていることを実感できます。

光によって水草が成長し、水草が成長する過程でお魚の暮らしやすい水質に整えてくれる。元気なお魚は排泄をし、それを養分として水草やバクテリアがイキイキとする。
そんな自然界の生命循環を目の当たりにできることがとても興味深いですし、生きた教材だなと感じます。

 

アクアリウムにおいて特に気をつけていることや、レイアウト・水草の育成方法などはありますか?

アクアリウムは手を掛けようと思えばいくらでも掛けられます。
ただ、あくまでこれは趣味であって、管理する人の負担になるのは違うと思っています。私はズボラな性格なので、そんな自分に合った管理をするように心掛けています。

たとえばトリミング等のお手入れが少なくて済むよう、成長スピードの緩やかな陰性水草をメインに育成しています。
また、アクアリウムで一番の悩みとなる苔の発生が少なく済むように、なるべく多くの水草を各水槽に植栽するようにしています。

水草の水質浄化能力にはとても助けられています。

現在は流木レイアウトが大半なのですが、今後は硬度が上昇するため水質管理、水草育成が難しいと言われている石組レイアウトも上手にできるようになれたら良いなと思っています。

 

 

アクアリウムをされていて失敗したなと思ったことはありますか? 

今年、やや小ぶりな水槽で初めての挫折を味わいました。
初めて見るヌルヌルとした物体が水槽全体にはびこり、その後水槽内は苔だらけになりました。
その水槽は今年の水草レイアウトコンテストへ出品するために立ち上げたもので、撮影5日前まで苔と闘い、一時は精根尽き果てた状態でした(今では笑い話ですが)。

恐らく原因は引越しによる水質の違いだと思います。
改めて小さな水槽管理の難しさを痛感しました。
当初はトラブルが発生するなんて思ってもみませんでした。
水槽管理に慣れてきた頃だったので奢りがあったんでしょうね。

水量は多ければ多いほど水質は安定します。
地域によって水道水の成分は大きく異なります。
環境の整っていない水槽では水草が衰退し、水草の元気のない水草水槽はやがて崩壊します。
それだけ植物の力は偉大なのです。
失敗しなければこれらの事実に気がつくことはありませんでした。
これもまた生きた教材です。

 

アクアリウム照明において重視されている点は何ですか?

私はインテリアの中に溶けこむアクアリウムを目指しています。
そのため人間が眩しく感じてしまったり、インテリアの邪魔になったりするような光を放つ照明は好きではありません。
むしろ間接照明の役割も果たしてくれるアクアリウム照明こそが照明を選ぶ上でとても重要だと私は考えています。
そういった点でBARRELのTSUKUYOMIは大変気に入っています。
一般的なアクアリウム照明の青白い光とはまったく違う暖色系の温かな光は私のインテリアにピッタリです。

光に照らされた水槽は、そのものが美しいインテリアになる


BARRELの育成ライトを使う上でどんな良い点(メリット)、注意点(デメリット)がありますか?

インテリアとして機能するフォルムと優しい光。
これが一番だと思います。
もちろん水草やその他の植物の調子も抜群です。
特に蘭や水草のお花が咲く機会が増えたように感じています。また、不思議なことにBARRELのTSUKUYOMIを使用した水槽は水面が反射し、お部屋の天井に[揺らぎ]が発生するんです。
いくつかアクアリウム用の照明を使用したことはありますが、この現象が起こるのはBARRELの照明が初めてです。
その[揺らぎ]は本当に美しく、高級なインテリア照明を使っているかのような気分にさせてくれます。
デメリットはお部屋にいくつあってもインテリアの邪魔をしないので、ついつい増やしてしまうことくらいでしょうか(笑)。

アクアリアムの初心者やアクアリアムユーザーの方にメッセージをお願いします。

アクアリウムは、昨今「ネイチャーアクアリウム」といって、水草を用いて自然を切り取ったかのような景色を作り出す水槽レイアウトが定着しています。
水草を元気良く育てることはお魚にとっても管理する私たちにとってもプラスに働きます。
その水草を育てるのに重要な[照明]にもぜひこだわってみてください。良い育成ライトの下で育つ水草は光合成をして気泡をたくさんつけます。
それを眺めるだけでもウキウキします。
光に照らされた水槽は、そのものが美しいインテリアになります。
成長という変化を常に感じられるインテリアとしても美しい『アクアリウム』を生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

あなたにとってアクアリウムとは何ですか?

育てる楽しみを持ち合わせたインテリアです。

最後に植物好きの方や、これからアクアリウムを始めたいという方にメッセージをお願いします。

水草、生体を自然界へ放つことは絶対にやめましょう。
生命力の強い水草は葉のカケラだけでも繁殖します。
放たれた生体は捕食により在来種を減らしたり、また交雑したりします。
一度失われた自然は二度と取り戻すことはできません。
皆が暮らしやすい生態系のバランスを守るため、アクアリウムという趣味を守るために一人一人の意識が大切です。

ありがとうございました。