【アクアリウム】子どもの頃の記憶の中の景色を再現したい-OWNER’s VOICE File05

不確定要素が多いアクアリウムに「正解」はない

どんなきっかけでアクアリウムを始めたのですか?

自分がこの趣味に入ったきっかけはビオトープです。
妻と娘が近所のスーパーでプラカップに入ったメダカ3匹を買ってきたのが始まりです。

メダカといえばビオトープ。
YouTubeなどでビオトープについて調べているうちに睡蓮鉢で人為的に作られた自然の中でメダカを泳がせてみたいと思ったんです。

そこからInstagramでビオの投稿しているうちに室内リウムの美しさに魅せられていきました。

大人になってから趣味という趣味を持っていなかった自分にとって、アクアリウムは心底熱中できるものになりました。
何より下手であっても作品を作る喜びというものを感じさせてくれるところが、抜け出せなくなった理由だと思います。

 

 

アクアリウムにおいて特に気をつけていることや工夫をしていることなどはありますか?

この趣味をやる上でいつも念頭にあることは、
いつも上手く行くわけではない、ということです。
もっと言うと大抵は何かしらの失敗をする…と思うようにしています。

最初の頃はそれがわからなかったので、水草が1種類でも上手く育たなかったりすると激しく落ち込みました。
水草一本のせいで生活全体が浮かない感じになるくらい(笑)。
でも何度も失敗をしているうちに、失敗して当たり前なんだと思うようになりました。

なぜなら失敗するたびにいろいろと勉強するのですが、サイトや本にはさまざまなことが書いてあるにも関わらず、「これが正解」という確定的なことが書かれていることが少ないと気づいたんです。

つまり、アクアリウムは不確定要素が多くて、やってみないとわからないという領域が広い趣味なんだと気づいたわけです。
それに気づいたことで、失敗やトラブルに耐性がつくようになり、精神的にも楽になって、この趣味と付き合えるようになりました。

 

もっとも重視するのは自然さとゆらぎを生み出す光

アクアリウムやテラリウムで特に印象に残る失敗はありますか? 

いつも失敗ばかりですが(笑)、レイアウトを作るときにその後の管理のことを考えずに作ってしまった失敗を何度かやっています。

たとえばアクアテラリウムにおいて、小型ポンプが取り出しにくくて十分な掃除ができなかったり、中のレイアウトを複雑に作りすぎてメンテしたら崩壊しそうになったり…思い描いた景色を再現することばかりに重点を置いてしまい、メンテナンスのしにくさに完成してから気づくということがありました。

作っておしまいではないので、ガラス面の掃除、底床の掃除といった、その後の日常管理がストレスなくできるようにレイアウトするのも大切だと思います。自戒を込めて(笑)。

アクアリウムやテラリウムの照明において、特に重視されている点はありますか?また、アマテラスやツクヨミの良い点などがあればお教えください。

重視している点は一つだけというわけではないですが、見た目としての光の自然さには特に重要視しています。
自分がアマテラスやツクヨミのヘビーユーザーなのは、この2つのライトが、自然さにおいて高い満足を生み出してくれる光を放ってくれるからです。

人それぞれの好みもあると思いますが、アマテラスやツクヨミように雑味のないクリアな光に
照らされた水槽を瞬間的に美しいと自分は感じます。
そのクリアな色味は他の照明よりも水の透明感という、水本来の美しさを感じさせてくれる光だと思っています。

あと、多くのユーザーさんが気に入ってるところでしょうけど、揺らぎを生み出す光であるということ。
水槽の中の揺らぎは太陽に照らされたせせらぎの中のような景色を思い浮かべることができますし、水槽の外側でも影絵のように反射した光の揺らぎを楽しむことができます。

そしてもう一つ、個人的にとても助かっていることがあります。
SNSへの投稿のために、よくスマホで水槽を撮影をするのですが、アマテラスやツクヨミに照らされたアクアリウムやテラリウムは肉眼で見たそれと遜色ない色味を写真の上でも再現してくれるので、写真の加工とかがあまり必要ないです。

他の照明に照らされた水槽だと肉眼での色味と全然違う…と落ち込むこともしばしばなのですが、
アマテラスやツクヨミにはそれがないです。
雑味のないクリアな光なんです。

以前、睡蓮鉢で作ったアクアテラリウムがあったのですが、アマテラスで初めてこの作品を照らした瞬間の感動はなかなかのものでした。

家で1人だったのですが、「わぁ…」って声が出ました(笑)。

この趣味を始める前は、光にそれほどの感動を与えられるとは思っていなかったですね。

楽しむために心がけたい2つのこと


アクアリウムやテラリウムをする上で、どのようなライトがあったらいいと思いますか?

これはニッチな希望になると思いますが、たとえば高さが40cmとか50cmのシリンダーボトル(フラワーベース)に合うようなスタンド照明があったらなぁと思ったりします。

現在はツクヨミやアマテラスを上から吊り下げて照らしていますが、高さを確保したスタンド一体型のライトがあればそういった水槽の設置場所の自由度も上がるかなぁなどと思っています。

最後にこれからアクアリウムを始めたいという方にメッセージをお願いします。

私自身、長年の経験があるわけではないので大したことはあまり言えないですが…植物という生き物を相手にする趣味であるアクアリウムやテラリウムはどうしても”やらなければ”というシチュエーションになりがちな趣味だと思うんですよね。

もちろん植物を育成する責任があるので、義務感みたいなものが生まれるのは仕方ないこととは思いますけど、趣味のせいで気持ちが沈みすぎてしまうのも何か違いますよね。

それを回避するために自分が心がけていることは、先にも言ったように、育成結果に期待しすぎないということと短時間のメンテナンスを習慣化するということをやってます。メンテナンスをまとめてやってしまうと、長時間になっちゃうことがよくありますよね。

やっているときは楽しいからいいのですが、次のメンテナンスの時期にくるとまた長時間しないとなぁ…などとメンテナンスすることがストレスになってしまうことがあると思うんです。

だから自分はメンテナンスはまとめてやるのではなく、1日30分くらいで小分けにしてやるようにしています。
短時間ならば、気が乗らないときでもクリアすべきハードルは低くなるので水槽の前に立つことも億劫じゃなくなります。

とりあえずメンテ道具を手に持って水の中に手を入れてしまえば熱中できるものなので、メンテナンスをスタートしやすい環境を作ることが大事かなぁと思っています。

あなたにとってアクアリウムとは何ですか?

まずは作る喜びを与えてくれるモノです。
それは最初の立ち上げだけという意味ではなくて、立ち上げた後も日々の管理をしながら自分の思う景色に近づけていく、それが楽しくて仕方ないです。

そして、再現したい景色というのが自分にはあります。

子どもの頃に両親の田舎に行ったときに見た小川や山の景色がずっと脳裏にあったのですが、
その記憶の中の景色をアクアリウムやテラリウムで再現したいのです。

眩しい陽光が小川の流れをキラキラと輝かせ、ゆらめく水の中でも魚や石や底砂が美しく照らされる。
小山の頂きに神社があって、その道中の鬱蒼とした緑の中で朝露に濡れて輝くシダや苔の生命感。

アクアリウムやテラリウムを始めたときに作りたいと思ったのは、そういう水辺の景色、山の緑の景色でした。
アマテラスの光を使った時に強い感動があったのも、そういう潜在的な記憶が揺れたからだと思います。

光り輝く水辺の景色。鬱蒼とした緑の中にある生命感。
アクアリウムやテラリウムはそういった自分の中にあるノスタルジーを埋めてくれるモノ。そんな風にも思っています。

ありがとうございました。